NHK朝ドラと私

朝の連続テレビ小説に陶芸作品提供と陶芸技術指導など 14か月間長く深く携わりました、、

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この画像はNHK朝の連続テレビ小説「スカーレット」の感動的な場面です。

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武志(伊藤健太郎)が母の喜美子(戸田恵梨香)と共に太陽の光に輝くこの皿を満面の笑みで眺めていました。とても感動的な場面で今も多くの方の記憶に残っているようです。

NHK朝ドラと私

{劇中に登場したこの皿が私が作品提供した「Water and Flame」と言う名の陶芸作品です。}

ドラマでは、主人公の喜美子の夫の八郎(松下洸平)からこの水の景色を陶芸に映し出す挑戦が始まります。そのきかっけになったのは喜美子の師匠:火鉢の絵付師・深野心仙(イッセー尾形)から届いた一通の絵葉書でした。

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{この絵葉書は(写真参考)私の陶芸作品「Water and Flame」を見て絵画指導の苅谷昌江先生が絵にしたものです。}

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八郎はこの”水の皿”を満足に作りあげることができず願いは叶いませんでした。しかし、その思いは息子の武志(伊藤健太郎)に引き継がれ、この皿が完成するまでの陶芸制作の過程がこのドラマの最終章の感動的なメインストーリーとして描かれました。

 {この皿の完成するまでの過程と完成し皿の中に入る貫入の案は私の実体験がストーリーのベースになっています。}

●劇中のシナリオではWater and Flameの皿は「水が生きている皿」との名前で脚本家の水橋文美江先生につけていただきました。

●ドラマのオープニングテロップには最終回までの10回ほど「陶芸指導 畠山圭史」と「武志作品 畠山圭史」として登場しています。

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そして、私の陶芸作品「Water and Flame」の説明です。

淡い空気のような肌色の器の中央に透明な”水の色"、そしてその”水の色"の境に太陽の光の色として緋色を入れた作品を「Water and Flame」の名で長く制作しています。

1998年にこの名称「Water and Flame」の展覧会名でロンドンの大和日英基金ジャパンハウスの個展で初めて作品を発表しました。

このロンドンの私の個展を企画していただき、開催直前にお亡くなりになったカービーみち子元英国公使夫人への鎮魂の気持ちから「Water and Flame」の制作は始まりました。

私の大切な人を亡くした落胆な気持ちの中、当時住んでいた岐阜県の長良川の夕焼けの遠く光輝く景色と澄んだ水辺の幻想的な情景がとても心に深く印象的に見えたのがこの作品が生まれたきかっけです。

{ドラマ「スカーレット」の中ではこの皿が「命の尊さ」を表現するような感動的な登場でしたが、私の経験した追悼の「思い」ととても相まっていたとありがたく感じています。}

そしてこれに用いる独自の技法も生み出しました。この技法は釉薬の特性を活用し、細い筆で三日かけて釉薬のグラデーションを塗り上げる独自の技法です。一見写真で見ると、どこにでもあるようなトルコ青のグラデーションの皿ですが、この技法により目の錯覚を呼び皿自体が発光して見えるような独特なさわやかな青い色が浮かび上がっています。

 

 

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そして、陶芸技術指導のお話です。

私はこのドラマ「スカーレット」のメイン出演者(戸田恵梨香、松下洸平、黒島結菜、伊藤健太郎)それぞれに長期のマンツーマン陶芸指導を撮影入り前に東京で行っています。

{陶芸が初めての皆さんに陶芸家としてしっかり演技できるような手の動き等を”みっちり”指導するようにとのNHKからの依頼でした。もちろん、私には非常に重い責任の稽古ですが、粘土練りから電動ろくろの器づくりまでと皆さん完璧に陶芸の基本を体得し仕上がり”陶芸家として”撮影に入っていただけました。}

そしてNHK大阪撮影スタジオでの伊藤健太郎の陶芸演技指導も長く埼玉から通い行いました。最初の戸田恵梨香の稽古から始まったこの仕事はトータル14か月と、とても長い期間このドラマ撮影に携わったことになります。

*伊藤健太郎と私の東京での陶芸稽古はNHKの番組「あさイチ」で紹介していただきましたが、それ以外の私との東京での俳優さん稽古の情報の公開はされていません。

{私の陶芸指導内容の問い合わせを多くいただきますのでここホームページで詳しくお話させていただきました。}

*松下洸平オフィシャルInstagramには東京での私の稽古の模様を投稿していただいています。

https://www.instagram.com/p/B0dQTydgqOR/?utm_source=ig_web_copy_link